長野女子高等学校

NAGAJO DIARY今日のナガジョ

今日のナガジョ

2018.10.04 Thu

日本史Aでは近代産業について学習する際に、実際の繭玉から生糸をとる(座繰り)体験をします。長野県でさかんに行われた養蚕及び製糸業を体験し、近代社会を生きる農民の暮らしについて理解を深めます。

 

例年、「ひとつの繭から何mの生糸が取れるか」を予想してから実験を行います。大体10m~50m、長くても100mというのが大方の予想ですが、実際にやってみると、一時間の授業で糸をだしきないほどにたくさんとれます(実際の生糸は3~4コの繭をつむいで一本にします)。これまでの最長記録は750mほどですが、これは途中でタイムオーバーとなった結果です。
そこで今回はサイエンスラボからアリーナに舞台を変えて、5m間隔にポールを置いて計測をおこないました。写真でご覧いただける通り、どのグループも順調でとても驚きました(紡ぐまえは切れやすいんです)。

今回は一番多いグループで153周!
つまり、約1.5kmです。このグループの繭は中の蚕がほとんど見える状態になっていました。実際にひとつの繭から、1.5~1.8km程度の糸が取れるとうかがったことがあります。
少し見えづらいのですが採取した生糸を束ねると写真のようになります。
生徒の皆さんには体験のあと、この製糸業に従事した女工さんたちの話をします。十代の高校生くらいの若い少女たちが、一日十何時間も製糸工場で働いていたこと、どれだけ働いても満足な賃金は得られなかったこと・・・。厳しい労働環境にもかかわらず、なぜ少女たちは働きつづけたのか?そこで初めて資本主義などもふくむ、近代日本の抑圧の構造が見えてきます。(担当:3学年)

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