明日11月23日は、「勤労感謝の日」です。昭和23年制定の「国民の祝日に関する法律（通称、祝日法）」で定められた「国民の祝日」の一つで、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日とされています。しかし、祝日法が制定される以前から、もともと11月23日は「新嘗祭（にいなめさい）」という、神様の恵みによって新穀を得たことを感謝する祭日として休日になっていたそうです。
　この「勤労感謝の日」ですが、古くからの収穫感謝の風習を生かしつつ、新たな感謝の日として設定されました。この日の「感謝」について当時の報告書（※）では次のように説明されています。

「国民が毎日生活を続けていられるのは、お互いがお互いを助け合っているからである。従って、ここにいう感謝というのは、すべての人がすべての生産とすべての働きとに感謝し合うのでなければならない。この感謝の心もちは、今日のような世相のけわしい時には最も必要なものであるが、世の中が落ち着いた時にも常に大切なものである」
※ 参議院文化委員会「祝祭日の改正に関する調査報告書」（昭和23年7月3日）

　昭和23年といえば戦後間もない時期で、「今日のような世相のけわしい時」には感謝の気持ちが最も大切だと述べられています。その当時から70年以上の月日が流れ、時代は変わって世の中が落ち着き、私たちの社会は何不自由ない豊かな生活を送れるようになりました。この生活が「当たり前」になっている今（もっと言うと「当たり前」が「当たり前ではない」ことに気づき始めた今）、私たちは何に「感謝」して生活するべきか。そのようなことを考えながら、明日の「勤労感謝の日」を過ごしたいものです。
参考：内閣府ホームページ「『国民の祝日』について」（https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html）
写真：三輪田んぼ収穫（2022年9月20日/インターアクトクラブ）